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休業損害の基本-給与所得者の月例給与(基礎日額)

休業損害については、家事労働を取り上げたことがありますが(→こちら 123456)、このあたりで、休業損害の考え方の基本となる、給与をもらっている人の休業損害の計算方法を押さえておこうと思います。

休業損害とは、事故前の収入を基礎として、事故によって休業したことによる現実の収入減だといわれます。

具体的には、毎月の給与の減額分や賞与の減額分などがあります。

まず、毎月の給与の減額分ですが、損保会社が用意している休業損害証明書を勤務先で書いてもらい、それをもとに計算することになります。

その休業損害証明書では、事故前の収入として、事故にあう前の3か月分の給与を記載することになっています。
社会保険料や所得税などの天引額も記載しますが、休業損害計算の基礎とされるのは総支給額(額面)です。
本給と付加給に区別して記載することになっていますが、その合計を計算の基礎とするのですから、区別することに意味はなく、基本給が本給、その他の手当が付加給になると考えておけばいいでしょう(勤務先から書き方を聞かれたら、そんなふうに答えてください。)。

そこから日額を計算しますが、損保会社は、休業損害証明書で証明された稼働日数ではなく、90日で割ることがよくあります。
仕事を休んだのが、○月○日から○月○日まで○日間というように期間で計算できる場合には、この90日で割った日額を使うのも合理的です。(もっとも、更に厳密にいえば、事故前3か月の給与の支給対象となった日は、90日ではなく91日だったり92日だったりすることが多いと思いますが、90日で割るのは、被害者に有利なので、ことさら問題にすることもないでしょう。)

しかし、連続して仕事を休んだのではなく、飛び飛びに仕事を休んだ場合に、この90日で割った日額を使うのは誤りです。
休業損害証明書で証明された稼働日数(60日前後が多いでしょう。)で割った日額を使わないと、休業損害が低くなってしまいます。
もし、飛び飛びに仕事を休んだのに、90日で割った日額が使われていたら、損保会社におかしいと言ってください。
この稼働日数で割った日額に、休業損害証明書で証明された休業日数をかけて、休業損害を計算します。