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前回もふれましたが、このブログに過失相殺関係の記事が少ないので、過失相殺について、いくつか記事をアップしようと思います。
今日は、「そもそも過失相殺とは?」という話しです。
まず、読み方ですが、「かしつそうさい」です。ときどき、「かしつそうさつ」と読む人がいたりします。
被害者の側にも落ち度(過失)があった場合に、賠償額を減らすことをいいます。
そういえば、当然という感じでしょうが、学者の間では、どうしてそういう仕組みがあるのか(制度の根拠)について、様々な考え方があります。
要するに、損害を公平に分担するための仕組みだと考えれば十分だと思います。
そして、この損害の公平な分担という考え方が、他の似たような場合にも使われるようになりました。
まず、「被害者」の過失だけではなく、「被害者側」の過失も減額の理由とされます。夫が運転している車に同乗していて事故にあった妻が、相手方に損害賠償請求する場合、妻に落ち度(過失)がなくても、夫の運転に落ち度(過失)があれば、過失相殺されます。「財布が一つ」が、過失相殺される「被害者側」の基準だといわれたりします。
さらに、被害者の体質的訴因や心因的素因による素因減額にも、過失相殺を類推適用するのが裁判所の考え方です(椎間板ヘルニアの素因減額について→こちら、CRPSの素因減額について→こちら)。