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物件事故報告書-もう少し詳しく

以前、物件事故報告書について、簡単に説明しました(→こちら)。
アクセスが多かったので、追加の説明です。

物損事故の場合は、警察では、人身事故のときに作る実況見分調書は作りません。
代わりに、作るのが物件事故報告書です。

この運用を全国的に統一したのが、平成4年2月1日付け警察庁交通局交通指導課通達「物件事故処理要領について」です。
警察庁のウェブサイトでは、その概要しか紹介されていないのですが(→こちら)、その通達にしたがい、各都道府県で共通の要領が定められています(例えば、石川県警のもの→こちら)。

その要領によると、物件事故については、原則として、「現場見分」を省略することとされています。現場見分とは、現場に臨場し、実況見分を行うこととされているので、この要領により、物損事故では、実況見分調書が作られないのです。

その代わりに、「物件事故報告書」を作成することとされ、その様式が定められています。
被害者として使いたい「事故状況」欄には、「衝突地点及び事故概要をメモ程度に簡記すること」とされ、「略図」を書く欄があります(石川県警のものだと、3枚目の一番下の欄→こちら)。
しかし、弁護士会の照会手続で、開示に応じるのは、この「略図」欄で、「事故状況」欄はマスキングされています。
その「略図」欄の大きさが、せいぜい、縦4~5cm、横6~7cm程度のもので、もちろん計測などはされていません。
情報量としては本当にわずかなものです。

それでも、事故直後に、警察が当事者の話しから現場の状況をまとめたものとして、使えることもあるので、念のために取ってみることはあります。