人身事故なのに不送致？

逸失利益の話しの途中ですが、土曜日だし、ちょっと違う話題を。
最近、こんなことがありました。

人身事故で過失相殺が問題になる場合、事故状況を確認するために、実況見分調書を取り寄せます（→こちら）。

そのケースでも、実況見分調書を取り寄せようとしたところ、警察から、「不送致」という回答が届きました。

なぜ？？？

原則として、警察は、犯罪の捜査をしたときは、事件を検察官に送致しなければならないとされています（「送検」といいます。）。
例外として、送検しなくていいのは、微罪事件（びざいじけん）だけのはずです。
人身事故が微罪事件になるはずはありません。

分からなければ、直接聞いた方が早い。ということで、その警察に電話してみました。
そうすると、事故の状況を確認できないのが理由だというのです。事故の当事者の一方は事故のショックでそのときの記憶がないし、もう一方は遠方の自宅に帰ってしまって事情が聞けない、また、目撃者もいないからというのです。
要するに、実況見分調書が作れないということのようでした。

人身事故でも不送致ということがあるのですね。
弁護士25年で初めての経験でした。

しかし、法の原則には反するような。。。
送検した上で、検察官が不起訴にすべきではと思うのです。

まあ、それはそれとして、実況見分調書がないとすると、本人から聞き取った事情で、過失割合を出すしかありません。相手方損保会社がどんな対応をしてくるものか。。。