いつでも、どこでも、だれにでも 上質な法的サービスを。
いつでも、どこでも、だれにでも 
上質な法的サービスを。

TEL: 095-820-2500

[平日] 9:00~17:00

ホーム法律の話(ブログ)交通事故 > 逸失利益-基礎収入(特に学生や若年者)

逸失利益-基礎収入(特に学生や若年者)

逸失利益の計算の基礎となる収入も、休業損害のときと同じように、事故前の現実の収入が原則です。

ただ、将来の収入の減少を計算しようとするのですから、事故前の収入が変化する見込みがあれば、その変化の見込みで現実の収入を修正することもできます。
ここが休業損害との違いです。

例えば、学生の場合、収入がないので、休業損害は認められないのですが(→こちら)、卒業後は就職するはずなので、逸失利益は認め、平均賃金で計算することとなります。平均賃金といっても、男女別なのか、年齢別なのかといった違いがあるのですが、ここでは、男女別全年齢平均の賃金が原則だと考えてください。

そして、学生について、全年齢平均の賃金を使うと、就職したばかりの人よりも、基礎収入が高くなってしまいます。例えば、2012年でいうと、男性の全年齢平均賃金は5,296,800円、女性の全年齢平均賃金は3,547,200円です。
そこで、学生とのバランスから、裁判所は、30歳までの人については、この全年齢平均賃金より現実の収入が少なければ、全年齢平均賃金を使って逸失利益を計算することを認めています。学生の休業損害のときにも書いたことがありますが、裁判所は、若年者の可能性を高く評価する傾向にあるのです(→こちら)。
ただ、そうすると、30歳を超えると一律に将来の収入増の可能性を否定するのもどうかという気がします(難しいので、別の機会に。。。)。