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休業損害と逸失利益

休業損害の話しをしたので、その関連で、逸失利益(いっしつりえき)の話しに続けます。

以前、症状固定を説明したとき、症状固定までは、収入の減少分をそのまま休業損害として請求できるのだけれど、症状固定後は、後遺障害の程度に応じた逸失利益の請求しかできないと言ったことがあります(→こちら)。
症状固定してしまうと、もう、休業損害は請求できないわけです。
だから、症状固定の時期とか、後遺障害が認められるかが重要なのです。

その代わりに、出てくるのが逸失利益です。
今日は、逸失利益の大まかな考え方についてです。
ちなみに、逸失利益には、死亡による逸失利益と後遺障害による逸失利益があるのですが、後遺障害による逸失利益に絞って話しを進めます。

まず、逸失利益は、後遺障害が残らなければ請求できません。
後遺障害が残らなければ、症状固定後は、収入の減少は見てもらえないわけです。

後遺障害が残ると、健康なときのようには働けなくなるので、将来にわたって、収入が減少すると考えて、その損害を賠償するのが逸失利益です。

健康なときに比べて、何%くらい収入を上げられなくなるかという割合を、「労働能力喪失率」といいます。最も重い後遺障害だと、100%の労働能力喪失率になりますし、軽い後遺障害で一番よくあるむち打ち損傷(14級)だと5%と考えられています。

その収入を上げられなくなる期間がどれだけ続くかを、「労働能力喪失期間」といいます。まず、67歳までというのが一応の決まりなのですが、例外などは改めて説明します。

その上で、その労働能力喪失期間が、例えば5年だったら、×5すればいいかというと、そうではないのが分かりづらいところです。「中間利息控除」というのですが、将来の分の一括前払いを受けるので、利息分を割り引こうという考え方です。といっても、何のことか分からないと思うので、以下、続きます。