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症状固定日の争い

症状固定日が大切なことは、以前にも書きました(→こちら)。

症状固定日までは、治療費が賠償の対象になりますが、その後は、原則として、リハビリテーションなどを続けていても、賠償の対象とはなりません(例外もあることは、改めて説明します。)。
休業損害も、症状固定日までで、その後は、後遺障害の逸失利益が認められるだけです。

では、症状固定日はどうして決まるのかといえば、基本は、後遺障害診断書の「症状固定日」の欄に書かれた日になります。

ところが、損保会社側から、その症状固定日がおかしいとして、もっと以前に症状固定していたと言われる場合があります。そうすると、治療費や休業損害の額が減るわけです。

このような損保会社側の言い分に対する反論は、治療の効果が期待できなくなる時期=症状固定日を最も的確に判断できるのは、患者を継続的に診てきた主治医であるということに尽きます。
更に念のため、治療継続中、毎月損保会社に提出されている診断書の「転帰」の欄も確認します。「継続」となっていて「治ゆ」や「中止」にはなっていないはずです。
また、診断書の「症状の経過・治療の内容および今後の見通し」の欄も日付順に並べて読み比べてみます。症状が良くなっている経過が書かれていれば、それも有効な証拠となります。
ところが、診断書に同じ記載が繰り返されているだけだったりすると、更に遡って医療機関から診療録自体の開示を受け、診療録の記載を読み込む必要が出てきます。被害者側弁護士は、診療録も読めるようでないと、有効な主張ができないわけです。