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外貌の醜状障害は、弁護士が扱う割合の高い後遺障害ではないかと思います。
それは、損保会社の提示額が低すぎて、いろいろ調べたり相談して弁護士にたどり着く方が多いからだと思います。
以前のブログでは、外貌の醜状障害について、今でも逸失利益を認めない場合がほとんどだと紹介しました(→こちら)。
しかし、ごく最近は、さすがに逸失利益がゼロだとはいえない立場に追い込まれてきたのか、わずかな逸失利益を認める損保会社が増えてきました。今回は、その紹介です。
例えば、9級の労働能力喪失率の基準は35%ですが、9級16号「外貌に相当程度の醜状を残すもの」の場合、裁判でも35%の労働能力喪失率が認められるのは難しいのが実態です。もちろん、ケースバイケースなので、高い労働能力喪失率が認められべき場合もあるとは思いますが、これまでの裁判所の判断の傾向としては、20%程度の労働能力喪失率が認められる場合が多いように思います。
しかし、交渉の場合、ゼロとはいわなくなったといっても、この裁判の傾向に照らしても、損保会社の提示額はやはり低すぎます。
例えば、最近のある例では、5%、5年間の労働能力喪失しか認めない回答がありました。労働能力喪失率の5%も疑問ですが、外貌醜状は改善しないと後遺障害診断書に書いてあるにもかかわらず、労働能力喪失期間を5年に限定する理由が分かりません。
また、これも最近の例では、労働能力喪失期間は、通常の扱いである67歳まで認めましたが、労働能力喪失率は10%という提示でした。
損保会社の提示額がこのレベルにとどまるようでは、外貌の醜状障害は、裁判に持ち込むしかないと思うのです。