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後遺障害の逸失利益は等級で大きく変わります。
労働能力喪失率という掛け率が変わるからです。
そして、等級によって労働能力喪失率は決まるというのが、損害賠償の常識です。
ところが、後遺障害の種類によっては、等級で決まるはずの労働能力喪失率について、もっと低くしか認められないと損保会社から言われるものがあります。
その一つが脊柱変形です。
「脊柱に変形を残すもの」は11級です。
そして、11級の労働能力喪失率は20%とされています。
ところが、この脊柱変形については、損保会社側から、20%の労働能力喪失率は認められないと言われます。脊柱に変形があっても、労働能力にはそんなに影響はないというのです。
そして、実際、以前の裁判所の判決の中には、11級と認定された脊柱変形について、20%より低い労働能力喪失率しか認めないものがあったのです。
でも、それは、「以前」の話しです。
2004年に、東京地裁の交通事故の損害賠償を専門に扱う部の裁判官が、脊柱の骨折による変形は痛みを生じさせるものであることを重視し、原則として20%の労働能力喪失率を認めるべきだという意見を表明しました。 その後、判決の流れは変わり、今では、脊柱変形でも多くの場合、20%の労働能力喪失率が認められます。(詳しくは→こちら)
当事務所で扱ったケースでもそうでした。
なのに、今でも、損保会社は、脊柱変形だと労働能力喪失率20%は認められないと言うのです。