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離婚をする場合、相手方に慰謝料や財産分与を請求できる場合があります。(ほかに養育費の請求ができる場合もあります。【3】をご覧ください。
慰謝料は、相手方に離婚の原因を作った責任がある場合に、離婚によって受けた精神的苦痛をつぐなうために支払われるものです。相手方に責任がある場合というのは、例えば、相手方の不倫や暴力で夫婦の関係が壊れたような場合が典型的です。しかし、相手方に責任があるといえるか、また責任があるとしてどの程度の額が認められるべきかなど、微妙な問題があるので、専門家に詳しい事情を説明して相談されることをお勧めします。
また、財産分与は、それまで夫婦で築いてきた財産を精算するという意味と、離婚によって苦しい立場におかれる相手方に対する生活保障の意味があるとされています。財産分与の対象となる財産の範囲や財産分与の割合で争いになることが多く、この点も詳しい事情をお聞きしないと、見通しを述べることができません。
養育費は、父母の収入、子の年齢、人数といった要素をもとに、その他諸事情を総合考慮して算定されます。平均的には、子が小さい場合には1人月額2〜4万円、子が中学生以上の場合には1人月額4〜8万円といった金額が多いようです。ただし、子の人数が増えるにしたがって、1人ごとの受給金額が下がるという算定方式になっています。
面接交渉は、父母のうち親権者でない方が、子どもと会うことができる権利です。この権利は、子どもの福祉のために認められるものなので、子どもの意思に反して無理に面会することは認められませんし、その方法としても、親が会いたい時に自由に会えるというわけではありません。面接交渉をどのような形で、どれくらいの頻度で認めるか、といったことについては、父母間の話し合いで決着がつかない場合、家庭裁判所に子の監護に関する処分の調停を申し立てて、決めることができます。
子どもの親権は、以下のような様々な要素を総合的に考慮して、どの者が親権者となればその子の福祉にとっていちばん望ましいといえるか、という視点から決定されます。
まず、1.父母側の事情として、それぞれの、監護能力・意欲、健康、精神状態、性格、生活態度、経済状態(資産、収入)、従来の監護状況、家庭環境、住居、教育環境、子に対する愛情の度合い、現在・将来の環境・状況、監護補助者の有無、補助の程度・方法、親族等の援助の可能性、父母の再婚の可能性、離婚の有責性、などといった要素が考慮されます。
また、2.子側の事情として、年齢、性別、心身の発育状況、従来の環境への適応状況、環境の変化への適応性、子の意向、といった要素が考慮されます。
夫が厚生年金か共済年金に加入している場合、妻は、離婚に伴い、その年金の報酬比例部分について一定割合(婚姻期間中に支払った保険料に応じて、その間の夫婦の厚生年金を合算して最大2分の1まで)の分割を求めることができます。具体的には、当事者の合意又は裁判所の決定(離婚調停、離婚裁判の際に同時に決定してもらうことができます)によって分割割合を定めた上で、当事者が社会保険庁長官等に分割請求をすることにより、求めることができます。
分割の結果、いくらもらえるようになるかについては、所轄の社会保険事務所にて所定の手続きをふんで、「年金分割を行った場合の年金見込額」を算定してもらうことである程度の予測が可能です。もっとも、具体的な年金見込額を算定できるのは、50歳以上の方に限られ、49歳以下の方については金額は算定・通知してもらえないようです。49歳以下の方の場合、分割の対象となる婚姻期間中に夫婦双方が支払った保険料の記録などが通知されるにとどまりますので、このデータをもとに社会保険労務士などに別途相談することで、大まかな年金見込額を推計することが可能になります。
別居中であっても離婚しておらず、法律上夫婦である間は、夫婦がお互いに生活を扶助しあう義務があります。したがって、収入が少ない方(多くの場合、妻)から、収入の多い他方(多くの場合、夫)に対して、当面の生活費や養育費(法律上「婚姻費用」といいます)を支払うよう請求することができます。既に離婚調停・離婚訴訟が行われている場合でも、離婚が成立するまでの期間は、婚姻費用の支払を求めることができます。相手が任意に支払わない場合は、家庭裁判所に婚姻費用分担調停を申し立てて、定めることができます。
慰謝料は、男性・女性を問わず、「不法行為」により相手に苦痛を与えた場合には、支払う義務が発生します。具体的には、夫婦のどちらかが、不貞行為や暴力、精神的虐待などをして、これにより相手を肉体的、精神的に傷つけたような場合があたります。したがって慰謝料は、男性のみが支払うものとは限りません。
なお、慰謝料の相場は、ケースによりさまざまです。一概には言えませんが、一般的には100万円から300万円が平均的な金額であるとの調査結果があります。
離婚したからといって子どもに対する親の扶養義務がなくなるわけではありません。ですから、当然、養育費を支払うよう請求することができます。
多くの場合、養育費は月々の支払となっています。その額は、父母双方のそれぞれの収入や子どもの数、年齢などによって計算されます。
離婚後に養育費の問題でもめることのないよう、協議離婚の場合でも、書面で養育費の額を具体的に決めておくことをお勧めします。
ただし、協議離婚の場合は、その養育費の取決めを公正証書(公証人役場で作ります。)にしておかないと、約束を守ってもらえなかった場合に、すぐに強制執行(給料の差押えなど)をすることができません。相手方が再三の請求にもかかわらず支払おうとしない場合は、裁判所の手続で養育費の支払を命じてもらうことになります。
愛人のせいで夫婦の関係が壊れた場合は、愛人に対して慰謝料の請求ができます。しかし、愛人ができたときに既に夫婦関係が壊れていた場合には慰謝料の請求ができません。そこで、愛人ができたときに夫婦関係が壊れていたか壊れていなかったかが争われることが多いようです。
このような場合によく行われる処理方法としては、まずその自宅の時価を査定して、その価格からローンの残額を差し引いた金額を、自宅の実質的な価値とみなし、その金額を現金で清算するという方法があります。
なお、夫婦の一方が、現金ではなく、自宅そのものの取得を希望する場合は、登記名義をその一方の単独所有名義に移し、住宅ローンの債務者名義もその一方に移すという方法があります。もっとも、この方法には、金融機関がローン債務者名義の書き換えに容易に承諾しないため、難航することが多いという問題点があります。