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過失相殺について書くのであれば,東京地裁民事交通訴訟研究会編『民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準〔全訂5版〕』別冊判例タイムズ38号(2014年)にふれないわけにはいきません(→こちら)。
そこには,事故態様ごとの基本の過失相殺率・過失割合と修正要素が書かれています(→こちらの「ちら見」の最後に例があります。)。
例えば,信号機により交通整理の行われていない同幅員の交差点における同程度の速度の直進車同士の出会い頭の事故であれば,基本の過失割合が,左方車40:右方車60です。
それに,例えば,見とおしがきく交差点であれば,左方車-10の修正があり,左方車30:右方車70となります。
その事故態様が,全部で338ケース載っていて,例えば,上の例だと【101】図というように表されます。
各ケースごとにその事故態様を表す図が付いていて、【○○○】番という番号がついているからです。
図がついていると、分かりやすくはあるのですが、逆に、あてはめで間違うことがあります。
実は、重要なのは、図の前に書いてある、基本の過失相殺率・過失割合がどうしてそうなるのかという説明部分です。この説明から、自分の事故にこの図をあてはめていいのか、考えることが必要です。
また、修正要素の意味についても、序章や各章の冒頭に説明があります。同じく、この説明から、修正要素の有無を考えることが必要です。
ただ、この説明は、弁護士のような法律の専門家を前提に書かれているので、正しいあてはめは簡単ではありません。
やはり、過失相殺率についても、弁護士に相談することをお勧めします。