労災保険と損害賠償請求の調整－労災保険の求償

交通事故であれば、本来は加害者がその賠償をすべきなのに、どうして労災保険を使うのかという質問を受けることがあります。

確かに、その疑問はそのとおりで、労災保険を使ったからといって、加害者側（損保会社）は、賠償の責任を免れるわけではありません。
労災保険は、立て替えているだけで、その後、労災保険（政府）は、立て替えた分を加害者側（損保会社）から返してもらうことになります。
それを労災保険の求償といいます。

そして、第三者の行為によって発生した業務災害や通勤災害を、労災保険では「第三者行為災害」といいます。

しかし、この求償が必要な第三者行為災害かどうかは、労働者から告げられなければ、政府は知ることができません。
そこで、交通事故のように求償が必要な第三者行為災害である場合、労災給付を申請するときには、「第三者行為災害届」を提出しなければなりません。
この第三者行為災害届を提出しなければならないのかも、よく尋ねられる点です。

しかも、この第三者行為災害届の書類が、かなり面倒です。
その書き方も、よく尋ねられます。
原総合法律事務所では、そんな質問にも、できる限り答えるようにしています。
（この第三者行為災害や第三者行為災害届について、厚生労働省がまとめたものが、一番正確ですし、書類の書き方も含めて、比較的分かりやすく書かれています。→こちら）