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前回、休業特別支給金2割は、損益相殺の対象とならないと書きました。
その意味の説明です。
労災保険では、休業期間について、平均賃金の6割の休業補償給付と2割の休業特別支給金を受けることができます。
足りない部分は、加害者(損保会社)に請求するのですが、このとき、6割の休業補償給付分は差し引くのですが、2割の休業特別支給金は、差し引く必要がありません。
これが、損益相殺の対象とならないということの意味です。
そうすると、被害者は、休業分として、労災保険から8割の支給を受け、加害者(損保会社)から4割の賠償を受けることができます。合計12割です。
なぜ、そうなるかというと、労働者災害補償保険法と労働者災害補償保険特別支給金支給規則にそう書いてあるからなのですが、その趣旨は、特別支給金が、損害を補うものではなく、労働者の福祉の増進を図るためのものだからだと説明されています。
理由はともかく、「特別」と名前がつくものは、全て損害を補うものではなく、労働者の福祉の増進を図るためのものなので、損害賠償額から差し引く必要がありません。
それが、休業特別支給金をはじめ、障害特別年金、障害特別一時金、障害特別支給金、遺族特別支給金などです。
結果として、特別支給金分だけ賠償・補償を受ける額が増えることが労災保険を使うメリットの一つです。