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後遺障害診断書の記載が、後遺障害の等級の認定にとって、重要なことは、以前、むち打ち損傷について、ふれたことがあります(→こちら)。
同じような症状が残っても、後遺障害診断書にどう書いてあるかによって、後遺障害と認められなかったり(非該当)、後遺障害が認められたりすることがあります。また、等級が違ってきます。
調査事務所の後遺障害の認定に不満があるとして、相談に来られた方から後遺障害診断書を見せてもらうと、この後遺障害診断書では後遺障害の認定は難しいと思うことも、しばしばです。
例えば、自覚症状の欄の記載が薄い場合があります。ただ、疼痛とか、痺れとか書いてあるだけでは、その症状の重さが伝わってきません。日常生活や仕事の上で、どんな支障があるかを具体的に詳細に書いてもらうと、後遺障害の重さが伝わってきます。
他覚症状及び検査結果の「①精神・神経の障害」欄も、ただ、X線、MRI等の画像所見がないとだけ書いてあるものがあります。
確かに、画像所見はないのでしょうが、そうであれば、神経学的な検査や徒手的な検査の結果ぐらいは書いてあってもいいだろうと思います。
さらに、障害内容の増悪・寛解の見通しの欄も重要です。
空欄のままでは、症状が残存するものかどうか、分かりません。
それどころか、症状は軽快していると書いてあるものも見たことがありますが、それでは、後遺障害は認められないでしょう。医師の立場からすれば、確かに、診療期間を通じて、症状が軽くなっていて、これからも症状が軽くなるだろうと判断してのことと思うのですが、そういう後遺障害であれば、当然に、労働能力喪失期間は制限して評価されます。
後遺障害診断書の記載としては、相当期間、症状が残存するといった書き方が適切ではないのだろうかと思います(実際、そのように書いてある後遺障害診断書もよく見ます。)。
でも、患者の立場で、後遺障害診断書の書き方に意見を言うことは難しいでしょう。
そこで、被害者側弁護士のサポートが必要になります(次回へ)。