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有利に使えそうな医学論文を見付けたとして、その論文が、本当に有効な論文なのかどうか見分けるのにも、被害者側弁護士としての経験、能力が問われます。
こちらに有利だと思って、証拠として提出し、その内容にそった主張を展開しても、それを否定する論文が出てきて、結局は、こちらの主張は通らないということはありうることです。
その論文の価値、信用性が問われるのです。
まず、EBMをふまえた学会のガイドラインは、もちろん、もっとも信用されます。もはや論文とはいえないのかもしれませんが、雑誌などに論文の一つとして掲載される場合があります。
次に、総説(レビュー)と呼ばれる論文も、重要です。それまでの様々な論文で公表されている結果をまとめた論文です。雑誌の特集などに載っている論文は、たいてい総説(レビュー)です。
この総説(レビュー)で引用された論文(原著論文といいます。)も重要な論文であり、信用性が高いとされています。原著論文というのは、その研究者が、それまで行ってきた研究をまとめてきたものです。
これに対し、症例報告は、知られていないケースを報告するもので、まだ一般化されているものではありません。症例報告に乗っかって主張を組み立てるようなことはすべきではありません。タイトルを見ると「~~~の1例」とかなっているのですぐ分かるでしょう。