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新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態制限を受け、長崎でもテイクアウト営業を開始した飲食店が多くあるようです。
ただし、テイクアウト営業については、食品衛生法上の観点から注意すべき点があります。
この記事では、飲食店事業者がテイクアウト販売を検討する際に注意すべきことを弁護士原幸生が解説します。
まず、「飲食店営業その他公衆衛生に与える影響が著しい営業」を行う場合、都道府県知事の許可が必要となっています(食品衛生法52条1項)。
許可の必要な業種は、食品衛生法施行令35条に列挙されており、全部で34業種あります(飲食店であれば管轄の保健所へ申請し1号の飲食店営業許可を得て営業しているはずです)。
同規定の各号を見ても、テイクアウト販売について特別な定めはありません。
したがって、店内の厨房で調理して、店内メニューに記載された商品をテイクアウト販売することは、飲食店営業許可の範囲内の営業形態と考えられるので、新たな許可の手続きは必要ありません。
ただし、提供する食品によっては飲食店営業許可だけではテイクアウト販売できないケースもあり、次のような食品の販売には、別途、施行令35条各号の許可手続きが必要となる可能性があります(ほんの一例です)。
〇魚介類販売業許可(14号)
・・・鮮魚介類(単品での刺身盛り合わせも含む)の販売
〇菓子製造業許可・そうざい製造業許可(3号・32号)
・・・製造した菓子・そうざいの店頭ショーケースでの陳列販売
〇食肉製品製造業許可(13号)
・・・自家製ハムやソーセージ、ベーコン、チャーシューなどの販売
飲食店営業許可と併せて、既にその他各号の許可を得ている店舗もあるかもしれません。
ただし、新たにテイクアウト専用メニューを考案するような場合(例えば元々のメニューから小分けにして単品販売するような場合)は、既に取得している許可の範囲内では販売できない場合もあり得ます。
新たな許可が必要となるのか、必要であればどの業種の許可が必要となるのかの判断は、なかなか難しい判断を求められます(この辺の線引きは各都道府県の保健所によっても扱いが異なるようです)。
飲食店事業者で、テイクアウト販売を検討する際は、必ず管轄の保健所に確認、相談を行うことをお勧めします。