11月15日は何の日か、皆さんご存知でしょうか。
11月15日は、「いい遺言(いごん)」の日です。日弁連が遺産や相続に対する関心を高めるために決めた記念日です。
そこで、今月は遺言についてお話しします。
Q 遺言というと、自分で書いたのとか、公正証書とか、いろいろ種類があるようですが。
A おもなものは、自分で書いた「自筆証書遺言」と、公証人という人に作ってもらう「公正証書遺言」でしょう。
Q どちらが多いのですか。
A 弁護士の仕事をしていて、目にすることが多いのは、自筆証書遺言です。
Q では、自分で書いた遺言があれば、安心なのです。
A 実は、自筆証書遺言は、無効になったり、思ったような効果のない場合が多いのです。
Q どうして無効になるのですか。
A 自筆証書遺言は、その書き方が法律に細かく決めてあって、その決まりどおりに書かないといけません。
例えば、全文自筆でないといけません。パソコンなど使ってはいけませんし、代筆もだめです。
書いた年月日が必要です。吉日だと無効になるというのは、結構知られてきていますが、最近も、年月まで書いて日が書いてない無効の自筆証書遺言を見ました。
また、署名、押印が必要です。
Q では、今の形式を整えておけば、無効にはならないのですね。
A はい。でも、内容がはっきりしていなければ、結局、意味のない遺言になってしましまいます。
例えば、よく見るのですが、「任せる」という遺言は、相続させるという意味はないと考えられています。「任せる」という遺言はないものとして扱われます。
Q そうすると、きちんとした遺言を書くにはどうすればいいのでしょう。
A 自筆で書く場合も、弁護士に、どんな遺言を書きたいか相談して、遺言の下書きを作ってもらい、それを自筆で書き写して、さらに、できあがった遺言を弁護士にチェックしてもらうことが必要です。
でも、お勧めは、自筆証書遺言ではなく、公正証書遺言です。
Q 公正証書遺言という言葉はなんとなく聞いたことがありますが、どういうものですか。
A 公証人(主に、裁判官や、検察官のOBです。)に遺言の内容を聞き取ってもらい、公証人に作成してもらう遺言です。法律の専門家が作成するものですから、無効になることはまずありませんし、内容も意味のあるものにしてもらえます。ただ、証人2人の立会いが必要ですし、公証人に支払う費用が必要です。
Q それを作るときは、直接、公証人のところへ行けばいいのですか。
A ごく簡単な遺言であれば、直接、公証人がいる公証人役場に行ってもいいと思いますが、内容が複雑だったり、財産が多かったりする場合には、まず、弁護士に相続人や財産を調査してもらい、遺言の案を公証人と調整してもらう方がいいと思います。実際、弁護士に相談し、依頼して、公正証書遺言を作る方が多いようです。
Q 公正証書遺言が良さそうなことは分かりましたが、ほかにもメリットはありますか。
A 公証人役場に原本が100年間保存されていて、名前と生年月日を言えば、全国の公証人役場から探し出すことができます。自筆証書遺言だと、失ったり、見つけてもらえなかったり、あるいは誰かが隠してしまうような場合もあるのですが、公正証書遺言は、相続人が必ず見つけ出すとができます。
原総合法律事務所では、相続・遺産に関するご相談は、初回30分無料です。
また、原総合法律事務所には、相続・遺産の専用相談窓口
「相続・遺産案内ダイヤル」があります。
電話番号は、095-820-0800です。
相続・遺産について、ちょっとした疑問でも、お気軽にお問い合わせください。