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損害を積算するときに、他の損害項目に比べて、基準が曖昧なのが慰謝料です。
そもそも、精神的苦痛を金銭的に評価するというのですが、精神的苦痛そのものが計ることが難しいものです。
そこで、赤い本を見ると、後遺障害慰謝料には増減の記載はありませんが、死亡慰謝料には、具体的な斟酌事由により増減されるべきとの記載があり、傷害(入通院)慰謝料には、傷害の部位、程度によっては、20~30%程度増額するとの記載があります。
青本になると、死亡慰謝料、後遺障害慰謝料、傷害(入通院)慰謝料のすべてが、幅をもって基準化されています。
そこで、他の損害項目で評価することが難しいときに、慰謝料を増額して調整するということが行われます。慰謝料の調整的機能、調節機能などといわれます。
例えば、逸失利益があると認定はできないが、そもそも将来の不確かな逸失利益ですから、将来、逸失利益が生じるかもしれません。そんなときに、逸失利益としては評価できないが、慰謝料の増額の理由として考慮するようなことがあります。最近の裁判所の和解勧告でも、そんな例を経験しました。