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まず、前提として、日本において、法律上、動物は物として扱われています。
そうすると、ペットが交通事故で傷害を受けたり、亡くなった場合、治療費や葬儀費用、あるいは購入価格などの損害賠償が認められるとして、更に慰謝料が認められるかが問題になります。
ペットといっても物だとすると、前回説明したように、いくらその物に愛着があっても、物損の慰謝料は原則として認められないのではないかという問題です。
しかし、ペットについては、家族同然の関係にあるような場合もあるので、単なる物とも言い切れません。
そこで、裁判所は、ペットに重い障害が残ったり、亡くなった場合、飼い主の慰謝料を認めることがあります。金額としては、5万円程度から数十万円程度です。
あとは、以前、ある事件の関係で調べたことの紹介です。こんなこと、知っている必要もありませんし、調べ直していないので、古くなっている知識かもしれませんが、考え方ということで。
冒頭に、日本において、法律上、動物は物として扱われていると書きました。では、外国法でも同じかというと、違う扱いもあります。
オーストリア1988年改正民法やドイツ1990年改正民法では、動物は物ではないと定めています。もっともそれに続いて、動物については、物についての規定を他に規定がない限り準用すると定めるので、結局は、物に準じて扱われることになります。
フランス1999年改正民法では、その定義規定において、「動物及び物」、「動物及び物体」と定められ、動物が物や物体に含まれないことが前提とされました。
また、実は、日本においても、動物の愛護及び管理に関する法律が定める動物虐待罪は、飼い主(所有者)による虐待に対しても刑事罰を科します。所有者は、所有物をどのように処分しようが自由なのが原則ですから、やはり、ペット(この法律では、愛護動物といいます。)は、単なる物とは区別されているようです。