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逸失利益-労働能力喪失期間(簡易生命表から平均余命を調べる)

後遺障害のため、以前のようには収入を上げられなくなるとして、その収入を上げられなくなる期間がどれだけ続くかを、「労働能力喪失期間」といいます。

まず、67歳までというのが一応の決まりだと説明しました。

では、症状固定時に67歳を超えていたり、症状固定時から67歳までの期間が短かったりするとどうなるかというと、平均余命の1/2が労働能力喪失期間となります。

というと、よく間違われるのですが、平均寿命平均余命は違います。
例えば、日本人の女性の平均寿命は世界1で86.41歳とか、男性も79.94歳で8位だとかいいますが(2012年)、これは平均余命ではありません。

平均余命は、年齢によって変わってきます。
その年齢まで生きてきた人が、あと何年生きることができるかの平均を出したのが、平均余命です。
そして、0歳の人の平均余命平均寿命というわけです。

そうすると、その年齢までに既に亡くなった人が、平均寿命を引き下げていたのですが、そこまで生きてきた人は、平均寿命よりも長く生きることができることになります。

例えば、54歳まで生きてきた男性は、平均寿命の79.94歳まで25.54年生きることができるのが平均かというとそうではなくて、平均余命は28.11年とされています(2012年)。平均すると82歳まで生きることができるのです。
その結果、54歳の男性は、67歳までの13年と、平均余命の1/2の14年を比べて(端数は切り捨てます。)、14年の方が長いので、労働能力喪失期間14年として計算します。
ここで、勘違いして、平均寿命との差25.54年の1/2は12年だから、67歳までの13年の方が長いと考えて、労働能力喪失期間13年として計算すると、1年損をすることになるのです。

ちょっと分かりにくかったでしょうか。
そういう場合は、とにかく、症状固定時の年齢の平均余命を調べてみましょう。
平均余命は、厚生労働省が取りまとめていて、各年のものが「簡易生命表」として、厚生労働省のウェブサイトで公表されています。
平均余命は、簡易生命表で調べると覚えておきましょう。
その最新の統計が、2012年のものです(→こちら )。
もちろん、症状固定時の年の簡易生命表を調べる必要がありますが、統計の結果が公表されるのは、少し遅れるので、まだ症状固定時のものが公表されていなければ、最新のものを使うしかありません。