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続けて2回の事故にあったときの考え方は先に説明しました(→こちら)。
1つの事故とはいえないので、共同不法行為ではありません。
2回目の事故までの損害は、1回目の事故の加害者が賠償します。
2回目の事故以降の損害(後遺障害によるものも含みます。)は、1回目の事故と2回目の事故の影響の大きさに応じた寄与度で、1回目の事故の加害者と2回目の事故の加害者が分担して賠償します。
ところが、混乱するのですが、自賠責では、この本来は共同不法行為ではない場合も、(異時)共同不法行為と呼びます。
そして、本来の法的な責任の負い方とは違う処理をします。
このあたり、法の考え方からするとおかしいのですが、自賠責独自の扱いと考えるしかありません。
具体的には、1回目の事故までの損害を、1回目の事故の自賠責保険から支払うのは当然でしょう。
問題は、2回目の事故の後の損害ですが、自賠責では、2回目の事故の後の損害は、すべて2回目の事故の自賠責保険から支払われます。寄与度による分担はしません。
さらに、後遺障害については、1回目の事故の自賠責の枠と2回目の事故の自賠責の枠を同時に使えます。例えば、14級の後遺障害に認定されたとすると、1回目の事故の自賠責の枠75万円と2回目の事故の枠75万円の合計150万円の枠を使えます。
後遺障害慰謝料だけでなく、逸失利益があれば、裁判の基準では損害が150万円の枠を超えるので、両方の自賠責から75万円ずつ支払を受けることができます。やはり、寄与度による分担はしません。
被害者の救済と簡単な処理という観点からの、自賠責の独自の扱いです。
この扱い、弁護士の法的センスからいうとおかしいので、最初はあれ・・・と思ったものでした。