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ホーム > 法律の話(ブログ) > 交通事故 > よく問題となる傷病名から(医学的基礎) > 腱板断裂が難しい理由
腱板断裂については、事故直後の受診の際、肩の痛みを見落とされる場合があることを説明しました(→こちら)。
しかし、腱板断裂が難しい理由は、それだけではありません。
調査事務所が求める画像所見という点からみても、腱板断裂は、MRIで簡単に見付かるというものではありません(→こちら)。専用コイル(どういうものか知らないのですが・・・)を使っていない場合など、画像の質が悪いと診断できないとされています。特に、腱の厚みの2分の1未満にとどまる不全断裂では、MRIの診断率は低いとされています。
というか、そもそも、肩の読影は、整形外科領域では難しい分野とされているそうです。
しかも、腱板断裂には、症状がない無症候性断裂があるとされています(実に、腱板断裂の半分以上が無症候性という報告すらあるそうです。)。特に、年齢を重ねるにしたがって、腱板断裂を持っている人の割合は多くなります。
ということは、事故後に腱板断裂が見付かっても、その腱板断裂が、事故前から存在した可能性を否定できないということになってしまいます。
この点は、損保会社側から、事故との因果関係を否定したり、素因による減額を主張される理由にされることがあります。
しかし、仮に、事故前から腱板断裂があったとしても、無症候性で、治療を受けていなかったのであれば、事故後に表れた症候性の腱板断裂は、事故によるものといえます。
また、そのような場合は、減額の対象にもならないでしょう。
そんな腱板断裂ですから、医療にも詳しい弁護士に相談されることをお勧めします。