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ホーム > 法律の話(ブログ) > 交通事故 > よく問題となる傷病名から(医学的基礎) > 急性硬膜下血腫と慢性硬膜下血腫の治療
急性硬膜下血腫は、頭のけがのため、どこかの血管が破れて硬膜下腔に出血し、脳を圧迫しています。
そこで、治療としては、脳の圧迫を取るために、血腫を取り去り、更に出血しているところを見付けて、止血しなければなりません。そのためには、開頭手術(頭蓋骨を電気のこぎりのようなもので切り開く手術)が必要です。
一方、慢性硬膜下血腫は、被膜(袋)の中に徐々に血などが溜まっているので、この被膜(袋)に穴を開け、中に溜まっているものを抜いて、被膜(袋)の中を洗います。そのためには、開頭手術までの必要はなく、穿頭手術(頭蓋骨にドリルのようなもので穴を開ける手術)で十分です。
いずれの手術でも、脳の圧迫を取ってやると、その後には症状の残らないことが多いようです。
ただ、脳の圧迫が強く、脳がダメージを受けていると、精神・神経症状の残ることがあります。
また、慢性硬膜下血腫では、被膜(袋)が残っているので、また、ここに血などが徐々に溜まり、再発する場合があります。慢性硬膜下血腫で、再発するようなケースでは、やはり、脳にダメージを来たし、精神・神経症状が表れることがあります。
そうして精神・神経症状が残ると、高次脳機能障害として後遺障害が認められることになるのです。