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治癒と寛解

前回の「治ゆ」つながりの話題です。

似ているけれど違う医学用語に治癒と寛解があります。
治癒が、完全に治った状態であることは分かります。

では寛解とは何かというと・・・
まず、読み方が分かりません。「かんかい」と読みます。
意味は、病気の症状が一時的に軽くなったり、消えたりした状態をいいます。そのまま治る可能性もありますが、また症状が出てくるかもしれません。
漢字で書くと、病気が一時的に寛(ゆる)くなり解(と)けたような状態になることが何となく分かってきます。
(ちなみに、医学用語を分かりやすく説明するものとして、国立国語研究所「病院の言葉」委員会の「病院の言葉」を分かりやすくする提案(→こちら)が参考になります。寛解については、こちら。)

交通事故の損害賠償では、あまり問題にならないような言葉なのですが、実は、後遺障害診断書に「障害内容の増悪・緩解の見通しなどについて記入してください」という欄があります。医学用語としては、「緩解」とは書かないのですが、「寛解」の意味でしょう。
そして、医師は、症状が一時的に軽くなることもあると判断すると、寛解の見通しがあると書くかもしれません。でも、そう書かれると、後遺障害が非該当になったり、逸失利益の労働能力喪失期間を短くされたりするおそれが出てきます。

そこで、後遺障害診断書の作成にあたっては、ただ医師に後遺障害診断書の用紙を渡すだけではなく、どこに配慮して欲しいか、お願いの手紙を添えることが有効なのです(→こちら)。