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外貌の醜状障害の後遺障害等級

外貌の醜状障害の後遺障害等級の認定基準はこうなっています。

7級 外貌に著しい醜状を残すもの
9級 外貌に相当程度の醜状を残すもの
12級 外貌に醜状を残すもの

といっても、抽象的でよく分かりません。
こういうとき、自賠責の後遺障害の認定は、労災の後遺障害の認定基準に準じているので、労災の認定基準を確認することになります。

そこでは、傷痕の場所(頭部か、顔面か、頚部か)、傷痕の形状(瘢痕か、線状痕か、陥没か)、傷痕の大きさで区別されています。

一番影響が大きい顔面の傷痕の場合、次のように分けられます。

瘢痕だと、鶏卵大以上の瘢痕が7級、10円硬貨大以上が12級
線状痕だと、5cm以上が9級、3cm以上が12級
組織陥没だと、10円硬貨大以上が7級

ところで、以前の基準では、女性の方が、等級が高くなっていたのですが、京都地裁平成22年5月27日判決が、労災の同様の男女の等級の差が憲法の平等原則に反するという判断をしたこともあり、今では、男女の区別はなくなっています(2010年6月10日以降の事故について、男女同一の現在の基準が適用されます。)。

そこで、気をつけないといけないのが、女性の場合、かつては、5cm以上の線状痕は7級だったのが、9級に引き下げられたということです。
女性の線状痕で9級になる場合、この基準の引き下げをふまえた主張が必要となるのです。ちなみに、原総合法律事務所で扱ったケースにも、まさにこのケースがありました。