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悪質だから慰謝料を増額して!

よく受ける相談の一つに、あんなに加害者が悪質なのに、慰謝料は増えないのかという質問があります。

事故の原因が飲酒運転や信号無視など悪質だったり、事故を起こしたのが分かっていながらひき逃げしたり、謝罪しないばかりかお金目当てで病院通いをしていると侮辱するなど、確かにひどいと思う場合があります。
そんなとき、被害者として、普通の慰謝料の額では納得できないという気持ちはよく分かります。

でも、交通事故の慰謝料の額は、入通院の期間・日数や後遺障害の等級などでほぼ決まってしまいます。
交渉段階では、その「基準」を超える額を加害者側=損保会社から引き出すことは、まずできません。裁判所の基準に届くのがせいぜいでしょうか(というか、裁判所の基準に届くことも簡単ではありません。)。

ただ、裁判まで考えると、判決では、加害者側の悪質さを考えて、慰謝料を増額することがあります。といっても、増額する場合があるという程度なのですが。

そのような点を理解した上で、交渉で示された慰謝料の額には納得できないというのであれば、裁判に踏み切ることも意味があると思います。
実際、判決になれば、慰謝料だけでなく、ほかの損害項目も増額されることが多いわけですし、事故日から年5%の遅延損害金もつくわけですから。