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医療事故から学んだこと-協力医の意見の評価

前回に続き、医療訴訟の講義の準備をしていて再確認したことです。

医療事故では、協力医が不可欠です。
同じように、交通事故でも、協力医の意見を聞きたいと思うことはよくあります。

医療事故だと、患者の診療を担当した医師は相手方になることが多いので、別に協力医を見付ける必要があり、それがとても大変です。
一方、交通事故だと、患者の診療を担当した医師の協力を得られることが多く、協力医を見付けるのに苦労することはあまりありません(稀に、対立的な医師もいますが。)。

その医師の意見ですが、もちろん、文献に書いていないことを補ってくれたりして、有用なことが多いと思います。
でも、医師の意見を鵜呑みにしてはいけないということも、医療事故を扱っているとよく感じます。
経験的な意見を述べているにとどまったり、一般的な医師の意見とはいえなかったりということがあるのです。
また、医師の意見が適切でも、その意見がそのまま有効な証拠になるというわけでもありません(意見書を書いてもらえたとしてもです。)。

できる限り、文献の裏付けが必要です。
その医師から文献の紹介を受けることもありますが、その文献が、現在の一般的な医師の意見といえるかの確認が必要です。かなり昔の症例報告にとどまり、文献的な価値が低い場合もあります。
やはり、教科書を確認した上で、医学論文のデータベースによる網羅的な検索をしておかないと、足をすくわれます。

協力医から意見を聞けば済むということではないのです。