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このブログを読んでいる人のほとんどは、実際に弁護士に相談に行ったり、事件を依頼したことはないでしょうし、ましてや家族や友人に弁護士がいるという人などいるとは思えません(弁護士のことなど知らない方が幸福ではあるのですが。)。
せいぜい、サスペンス物に出てくる弁護士が弁護士のイメージではないでしょうか。
でも、そういった弁護士の仕事に対するイメージは、かなり実態とは違うのです。
私も弁護士を20年以上やっていますが、いろんな誤解に出くわしました。その中で、特に多い誤解ベスト3を選んでみました。
これを知っていれば、あなたも今日から弁護士通!!!(だから何だと言わないでください。筆者はブログネタを探そうと必死なのです。)
<1 弁護士は、一つの事件にかかりっきりになっている・・・という誤解>
ドラマに出てくる弁護士は、実にヒマです。すぐにお祭りに行ったり、競馬に行ったり。芸者弁護士とかいうのもありました。その片手間に弁護士もやってますという感じでしょうか。
しかも、その事件の調査のために、すぐに往復に2、3日もかかりそうな所(しかも観光地)へ出かけていったりします。
ちょっと考えれば分かることですが、そんなことじゃ食べていけるわけがありません。
実際の弁護士は、人によりそれぞれですが、少なくても数十件、多ければ100件を超える事件をかかえています。平均すれば、地方の弁護士の方が人数が少ないので多くの事件をかかえていて、私も100件以上の事件を担当しています。
というわけで、なかなか弁護士と電話で話せなかったり、相談や打合せの時間がとれなかったりすることもあるかと思いますが、ご容赦ください。できる限り急いで時間をとるようにしていますので。
ちなみに、当事務所は、弁護士が4人いるので、当番を決め、毎日誰かが相談に応じられるようにしています。
<2 弁護士は、大学の先輩に頭が上がらない・・・という誤解>
同じような誤解に、以前、勤務弁護士として働いていた事務所のボスには強く言えないだとか、弁護士会の会長には花を持たせるだとかいうのがあります。
ご心配されないでください。そのようなことは絶対にありません。弁護士というのは、実に独立した実力の世界で、仕事上の上下関係は全くありません。司法試験を通らないと弁護士にはなれないわけですが、司法試験に大学の名前は全く役に立ちませんし、年齢も性別も関係ありません。誰がどの大学を出ているかなど、話題にもならないのです。
実際、弁護士1年目でも、弁護士数十年というベテランの弁護士と対等に交渉し、主張を戦わせるのが弁護士です。
<3 弁護士は、仲間内でなあなあで話しをつけてしまう・・・という誤解>
もちろん、地方の弁護士は、弁護士の数が少ないので、お互い顔見知りです。仲がいいといってもいいでしょう。むしろ、そこで浮いてしまっているような弁護士は問題です。
しかし、プライベートで仲がいいからといって、仕事上、手をゆるめることはありませんし、もちろん当方に不利な事情を相手にバラしてしまったりというようなことなど考えられません。当方に不利な和解案で無理やりまとめるというようなこともありません。事件に勝てば報酬金があるわけですから、何とかして勝とうとするのが弁護士です。勝てない弁護士は、依頼者が減っていくに違いないのですから。
ただ、希望よりも低い和解案を弁護士から勧められることはあるかもしれません。それは、裁判の結果を予想し、裁判を続けて負けてしまうよりも、まだダメージが少ないだろうという専門家としての弁護士のアドバイスです。
<おまけ 司法試験に通るためには六法を覚えるの・・・という誤解>
条文を覚える必要などありません。六法は試験場に持ち込めるのですから。よくサスペンス物で、「刑法第199条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは3年以上の懲役に処する。」などと弁護士が空で言っていますが、そんなもの正確に覚えている弁護士は、まずいません。
司法試験は、記憶力で通る試験ではありません。条文をただ覚えたって絶対に合格しません。そうではなくて、ケースを分析し、法律上の問題点を見つけ出し、事実を法律にあてはめて、妥当な結論(格好良くいえば法的正義)に至る力を試されるのが司法試験です。
そういうと、かえって簡単そうに思われるかもしれませんが、法律上の問題点を見つけ出すためには、法律のどこにどのような問題があるのかを理解していなければなりません。条文の意味を判例や学説がどのように考えているのか、またその理由はなぜかということを理解していなければなりません。さらに、正義に対する感覚も求められます。
この力を身につけるために、平均すれば4〜5年はかかるのではないでしょうか。それも、大学受験のときのような生半可な勉強量ではありません。ただ救われるのは、法律は、大学受験の科目とは比べものにならないくらい面白いということでしょうか。もっとも、その面白さが分かるまでには、数年もかかったりするわけですが。
それだけの専門的な能力を身につけた弁護士の相談が、30分5000円(税抜き)で受けられるというのは、本当にお得だと思います。ちなみに、当事務所では、いろんな無料相談も企画していますので、ご利用お待ちしています。