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この意味、何ですか? ・・・よくある医学用語のご質問
医療事故が起こったとき、必ず出てくるのがよく分からない医学用語です。
このページでは、そんな医学用語の意味を考えていきます。
どれも、原総合法律事務所が取り扱った事件の中で、何度も目にした言葉です。
なお、原総合法律事務所が医療過誤を扱うときの流れは、「医療過誤」のページで詳しくご説明していますので、ご覧ください。
目次
生体内に免疫や組織の破壊的病変がある場合に、血清中に肺炎球菌のC多糖体と結合する一種の蛋白質が現れ、これをCRP(C反応性蛋白質 C-reactive protein)と呼ぶ。
体内に炎症が起きたり、組織の一部が壊れたりした場合、血液中に蛋白質の一種であるCRPが現われます。このCRPは、正常な血液のなかにはごく微量にしか見られないので、炎症の有無を診断するのにこの検査が行われます。
当初は肺炎に特有と考えれられていましたが、炎症や組織破壊のある病気ならどれでもCRP値が高くなるため、現在では炎症や組織障害の存在と程度の指標として測定されます。
例えば、肺炎、骨髄炎、尿路感染症など細菌が感染したり、心筋梗塞、肝硬変、悪性腫瘍、外傷など組織破壊があると、人の身体は修復しようとして、そこが赤くなって腫れ上がったり、痛くなりますが、この反応を炎症といいます。炎症が起きると、いろんな化学物質が出てきますが、それを炎症マーカーといい、CRPは代表的な炎症マーカーです。
癌、白血病、重症感染症、劇症肝炎、急性呼吸不全、大動脈瘤、産科的疾患、外傷、熱傷などを基礎疾患として惹起された血管内凝固亢進状態が、生体が本来もっている抗血栓機能を凌駕すると、全身の広い範囲で微小血栓が形成される。その結果、多臓器不全に陥るとともに微小血栓の形成過程で血小板や凝固因子が大量に消費されて減少し、さらに二次線溶が加わって出血傾向を呈する。
本来、正常な血管内では、血液は固まらないようになっています。
ところが、何らかの病気によって、血液が固まる力が強くなり、全身の血管内に小さな血のかたまり(血栓)ができることがあります。その血栓が様々な臓器への血液の流れを妨げることにより多臓器不全を招きます。また、血液を固める成分が大量に使われ、一方で血栓を溶かす働きが強くなるため、出血があってもなかなか止まらない状態になります。
このような状態をDIC(播種性血管内凝固症候群)といいます。
治療の難しい致命的な病気です。
全身性の急性循環障害により重要臓器や細胞の機能を維持するのに十分な血流が得られない状態となる症候群と定義される。
ショック状態は放置されれば早晩死亡するのみならず、遷延すると臓器障害が進行し、ショックに対する治療で一時的には循環が回復しても多臓器不全から死に至る。
血液の循環がうまくいかず、脳や臓器など全身に酸素が行き渡らなくなり、生命の危険がある状態です。血圧が下がる、顔面が真っ白になる、脈が弱くなる、意識がうすれるなどの症状が現れます。
ショックという言葉は、日常的には、ただびっくりすることやひどく悲しんだり落ち込んだりすることの意味で使われますが、医療の現場では、生命にかかわる非常に危険な状態を指すので注意が必要です。
個々の心室筋細胞がおのおの不規則に細かく収縮、弛緩を繰り返す状態を心室細動(ventricular fibrillation:VF)という。心室全体としての収縮、弛緩を消失するので、ポンプ作用はほとんどみられなくなり、急速に心室からの血液駆出がなくなる。数秒で意識を喪失し、けいれんを来たし、すぐに呼吸が停止する。数分から十数分後には心静止へ移行する。
この細動を除去することを除細動といい、心室細動に有効なのが、直流電通を行う電気的除細動(カウンターショック)である。一般に、2つの通電用電極を前胸壁上で、心臓を挟むように位置させて通電する。なお、最近は、看護師、救急救命士、一般市民も使用を認められる自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator:AED)が、航空機内、公共施設、医療機関の外来や一般病棟などに普及している。
心臓の血液を全身に送り出す心室という場所が小刻みにふるえ、全身に血液を送り出すことができなくなった状態を心室細動といいます。この心室細動が起こると、脳やからだに血液が行かなくなり、やがて心臓が完全に停止して死亡してしまいます。心臓が原因の突然死の多くは、この心室細動を起こしています。
心室細動から回復させるには、体外から強い電流を一瞬流して心臓にショックを与えること(カウンターショック)が必要です。それを自動的に行う機器がAEDで、最近は、医療機関や消防だけでなく、公共施設などに設置され、一般市民も使用できるようになっています。
感染に起因する全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)
身体のどこかに細菌が感染し、そこから血液中に細菌による毒が流れ込み、全身に回って臓器がおかされ、重い症状が引き起こされた状態をいいます。
治療が遅れると命に関わる危険な病気です。
なお、傷口などから細菌が血液中に侵入しただけでは、敗血症にはなりません。
肺炎、腎盂腎炎、胆嚢炎、胆管炎、腹膜炎などの感染症から起こったり、血管内にカテーテルを留置している場所の汚染が原因になったりします。こういった感染があったところに、悪寒、ふるえを伴う発熱があり、脈や呼吸が早くなり、倦怠感、意識障害、血圧低下などが現れると、敗血症が疑われます。