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死亡慰謝料-高齢者の減額

裁判基準(赤い本)だと、高齢者の場合、「その他」に入るので、2000~2200万円というのが基準です。

ところが、損保会社からは、80歳くらいを超えていると、高齢だからという理由で、死亡慰謝料の減額を求められます。

この点は、確かに、高齢者は、「人生を享受している度合い」が大きいので、死亡慰謝料は低めにすべきだという意見もあります。
そして、実際、高齢者について、2000万円を切るようなやや低めの死亡慰謝料しか認めない判決もありました。

しかし、高齢のために余命がそれほど期待できないという人であっても、人としての価値や生命の本質に変わりはないとして、高齢者の死亡慰謝料に差をつける考え方に合理性があるか疑問だという意見が強くなっています。

例えば、赤い本(2014年版)に掲載される裁判例(判決)のうち、2000万円より低い死亡慰謝料になっている判決は、91歳の女性の死亡慰謝料を1900万円とした約15年前のものが1件あるだけです。
同じ認識は、東京地裁の専門部の裁判官の講演の中で、「近時、東京地裁民事27部(民事交通部)で、高齢者であるという理由だけで、2000万円を下回る慰謝料額を認定した判決例は見受けられないようです。」とまとめられています(赤い本2014年講演録)。

高齢者だからといって、死亡慰謝料を減額する損保会社の主張に対しては、強く反論していく必要があります。