TEL: 095-820-2500
[平日] 9:00~17:00
ときどき相談を受けますし、先日は、交通事故ではありませんが請求を受けました。
物損の慰謝料の問題ですが、原則として、物損の慰謝料は認められません。
原則としてというと、例外がありそうで、実際、例外的に物損の慰謝料が認められる場合があると紹介されることが多いのですが、物損の慰謝料が認められることはないと考えるのが正しいでしょう。
そもそも、慰謝料というのは、精神的なショックに対する損害ですが、生命や身体に対する侵害があった場合の精神的なショックと、物に対する侵害があった場合の精神的なショックは、そのレベルが違います。
いくら、その車に愛着があったりしても、生命や身体に対する侵害があった場合と同列に扱うこと自体、無理があります。
慰謝料以外の理由、例えば、評価損などによって、増額を考えることになります。
ちなみに、物損に関連する慰謝料が認められた例として紹介されるのは、車が家に飛び込んできたような例がほとんどです。そういう場合は、生命や身体に対する危険も感じたでしょうし、平穏な生活も害されたでしょうから、やはり単なる物損とは精神的なショックのレベルが違います。
なお、一応、裁判所が例外的に物損の慰謝料が認められる場合として、基準に上げるのは、「被害者の愛情的利益や精神的平穏を強く害するような特段の事情」がある場合です。
しかし、この基準は、この「被害者の愛情的利益や精神的平穏を強く害するような特段の事情」が認められないから、物損の慰謝料は認められないという、否定の理由付けに使われる基準で、この基準によって物損の慰謝料が認められた例はありません(ないはずです。。。)。