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ホーム > 法律の話(ブログ) > 交通事故 > よく問題となる傷病名から(医学的基礎) > 椎間板ヘルニアの素因減額-「共に原因となって損害が発生した場合」か
前々回の判例の枠組みで紹介しましたが(→こちら)、事故前に「疾患」があったとしても、「被害者に対する加害行為と加害行為前から存在した被害者の疾患とが共に原因となって損害が発生した場合」でなければ、素因減額は認められません。
つまり、事故後の頚部や腰部の神経症状(痛み、しびれなど)について、事故前の疾患と事故が共に原因となって発症した場合でなければ、素因減額は認められません。
事故だけが原因となった頚部や腰部の神経症状であれば、素因減額は認められないのです。
そして、交通事故による頚部や腰部の怪我では、その事故だけを原因として、後遺障害等級12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」の後遺障害や、14級9号「局部に神経症状を残すもの」の後遺障害を残すことがあります。
そうすると、結局は、その事故の衝撃の程度から通常予想される症状の程度を超えた症状が出て、初めて、事故と事故前の疾患が共に原因となって症状を発症させたといえることになります。
事故の衝撃の程度から通常予想される程度の症状であれば、素因減額はされません。
もっとも、被害者には個体差があるので、この通常予想される症状というのが、実は難しいのですが。