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むち打ち損傷で痛みが強く、長く続く場合、試みられる治療として、神経ブロックという注射があります。その注射をする場所から星状神経節ブロックといわれます。
星状神経節ブロックがされていると、症状が重かったというのが分かることになります。つまり、後遺障害が認定されやすくなります。
この星状神経節というのは、のど仏の下の気管の左右にある星の形をした神経のかたまりのことです。頭部・肩・腕などを支配する交感神経が集まっています。
このあたりに、麻酔薬を注射するのが、星状神経節ブロックです。仰向けの状態でのど仏の下の気管の横に注射をされるのですから、かなり怖い治療です。
でも、効果の出る人だと、これでかなり症状が楽になります。他方で、効果の出にくい人もいます。
いずれにしろ、1回で終わるという治療ではなく、様子を見ながら続けるのが一般的です。
ちなみに、知覚神経をブロックして痛みを取る効果もあるのですが、末梢の血管を拡張して血行を改善したり、緊張した筋を弛緩させる効果もあり、それらの効果が相まって、むち打ち損傷の症状を改善するとされています。
ペインクリニック・麻酔科が専門なのですが、整形外科でも行っています。
怖い治療といいましたが、経験のある医師が行えば、それほど危険な治療ではないとされています。
とはいっても、血管を傷付けたりといった合併症の危険がゼロではありません。
むち打ち損傷に有効な場合があること、稀とはいえ合併症の危険もあることを理解した上で、医師から神経ブロックをしましょうかと言われたらどうするか、考えてみてください。