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外貌の醜状障害の労働能力喪失率

外貌の醜状障害の逸失利益が認められるとしても、その労働能力喪失率は、当該等級の基準の労働能力喪失率よりも低めの認定にとどまる判決が多いようです。

とはいっても、ケースバイケースですから、転職せざるを得なかったような場合には、高い労働能力喪失率が認められる場合もあります。

その際、前回も紹介しましたが、女性の5cm以上の線状痕について、かつては7級だったのが9級に引き下げられた経緯も考えると、新しい外貌の醜状障害の後遺障害等級については、基準の労働能力喪失率に近い労働能力喪失率が認められてしかるべきともいえます。
それは、後遺障害等級の見直しを提言した、厚生労働省の「外ぼう障害に係る障害等級の見直しに関する専門検討会報告書」(→こちら)が次のようにいっているからです。

諸外国の重度の外貌の醜状障害の労働能力喪失率が30~50%になっていることも踏まえ、重度の外貌の醜状障害は、労働能力喪失率56%の7級に設定することが妥当である。
重いとされた外貌の醜状障害の労働能力喪失の程度の中間値が30%とされていることから、以前の7級と12級の中間に労働能力喪失率35%の9級を設定するのが適当である。

そこでは、7級、9級のいずれも、その等級の基準の労働能力喪失率が認められることが、前提とされています。