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ホーム > 法律の話(ブログ) > 交通事故 > はじめに-いろいろな話題 > 行政書士が交通事故を扱っているようですが
交通事故の損害賠償を扱っている行政書士がいます。
前回ふれた、ウェブ上で不正確な情報を発信しているサイトの管理者が行政書士であることはしばしばです。
しかし、そもそも、行政書士は、法律の専門家ではありません。損害賠償の基礎となる、不法行為についての教科書的な知識も、体系的に学んだことがあるとは思えません。ましてや、交通事故の損害賠償は、更に特有な法的論点が多数あり、弁護士にとってもかなり専門的な分野です。
まず、法的な知識の面で、弁護士と行政書士の間には圧倒的な差があります。
さらに、交通事故の損害賠償には、医学的知見が問題となることも多いのですが、これも行政書士が手に負える分野ではありません。弁護士の中でも、医療過誤等を扱い、一定の医学的知見を持ち、医学文献や医学データベースにアクセスでき、更に協力医とのネットワークを持っていなければ、十分な活動はできません。
行政書士にそのような活動を期待することは無理でしょう。
実際、行政書士が担当していたケースを、いろんな事情で引き継ぐこともありますが、誤解としか思われない主張をしていたり、当然請求すべき損害を落としていたりと、驚くことばかりです。
ひょっとして、本当に研修を重ね、経験を重ね、適切な処理をしている行政書士もいるのかもしれませんが、残念ながら、そういう方には、この25年以上の弁護士経験の中で、出会ったことがありません。