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ホーム > 法律の話(ブログ) > 交通事故 > よく問題となる傷病名から(医学的基礎) > 椎間板ヘルニアだと素因減額される?
むち打ち損傷で、事故後、椎間板ヘルニアが見付かったとします。
恐らく、医師からは、椎間板ヘルニアは事故によるものと言い切れないと言われるでしょうし、加害者側損保からは、「素因減額」だと言われるでしょう。
どう考えればいいのか。難しい問題があることは、前回もお話ししました。医療にも詳しい、被害者側弁護士に相談して欲しいのですが、今日は、「素因減額」の話しだけ。
裁判所の考え方は、体質的素因について、「疾患」ならば減額するが、「身体的特徴」は減額の理由にならないというものでした。
この「疾患」か「身体的特徴」かという分け方でいうと、椎間板ヘルニアは、年齢を重ねても、多くの人が発症しないので、「疾患」だとされています。
そうすると、事故前から、この椎間板ヘルニアという疾患があれば、素因として減額されてしまいそうです。
そこで、事故後、椎間板ヘルニアが指摘された場合には、事故前に痛みやしびれといった症状があったか、事故前に整形外科などにかかっていたか、そこでどんな診断を受けていたかといった事故前の経過が重要になります。
むち打ち損傷のケースで、診断書に椎間板ヘルニアの記載があると、事故前の様子を伺いますし、場合によっては、事故前のカルテの開示を申請したりしますが、それは、こういった点を確認したいからです。
こういった検討を十分行えば、椎間板ヘルニアが見付かっても、素因減額なしで解決できる場合が多いと思います(というか、私が依頼を受けたケースで、椎間板ヘルニアを理由に素因減額された記憶がありません。)。